ましんつ~るまがじん~vol.180~
INDEX
・今日のコラム………… 2015年 暦年受注の概要
・統計更新情報………… 2016年1月次受注短観発表
・編集後記……………… 現金、使ってますか?(T)
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◇ 今日のコラム
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○2015年 暦年受注の概要
【受注総額】 1,480,592百万円 (前年比 98.1%)
2015年の工作機械受注額は、前年比1.9%減の1兆4,806億
円となりました。5年連続で1兆円を超え、2007年(1兆5,90
0億円)、2014年(1兆5,094億円)に次ぐ、史上3番目の受
注額です。
このうち、NC工作機械は、1兆4,500億円(同1.6%減)で、
受注額全体に占めるNC工作機械の比重は97.9%(同0.2pt増)
で、2年連続で過去最高比率を更新しています。
月間の受注額は、年初から1,200億円を超える水準が続き、3月に
は単月の過去最高額を記録するなど、高水準で推移していましたが、夏
場以降、内需では政策効果の剥落と次年度の政策待ちによる減少、外需
ではアジアのEMS向け特需の剥落などにより、8月以降1,100億
円前後での推移となりました。
なお、外需比率は内需の押し上げにより、6.7pt減の60.4%に低
下しました。
【内需】 586,240百万円 (前年比 118.1%)
内需は、3年連続の増加となる5,862億円(前年比18.1%増)
で、リーマンショック以降では初めて5,000億円を上回りました。
年間を通じて為替水準が安定したことで、企業収益が継続的に改善し、
老朽設備の更新が捗った他、一部に円安を受けての国内生産回帰の動き
も窺えました。さらに、生産性向上設備投資促進税制、ものづくり補助
金、省エネ補助金等、各種政策効果が中小製造業を中心に設備投資を下
支えする形となりました。
その結果、月間受注額では、6月にリーマンショック以降で初めて60
0億円を超えるなど、年前半は高水準の受注が継続しました。
業種別では、全11業種中9業種で前年実績を上回り、減少は電気機械
と官公需・学校(34億円、同17.6%減)の2業種のみでした。
また、電気機械、精密機械、官公需・学校を除く8業種でリーマンショッ
ク以降の最高額を更新するなど、内需全般で堅調に推移しました。
金額(百万円) 前年比
一般機械 221,825 110.9
うち金型 32,198 121.1
自動車 203,918 121.6
うち自動車部品 143,739 122.4
電気・精密 48,067 107.9
航空・造船・輸送用機械 31,150 151.5
【外需】 894,352百万円 (前年比 88.3%)
外需は、中国経済の不振が世界各国の設備投資の重しとなったことや、
昨年の外需をけん引した、アジアのEMS関連特需が年後半に剥落した
こと、大幅な原油安によって米国でのエネルギー関連需要の減少したこ
と等が影響し、前年比11.7%減の8,944億円と、2年ぶりに減
少しました。
ただし、受注水準は2014年(1兆130億円)、2011年(9,
046億円)に次ぐ史上3番目で、高水準の受注が継続しているといえ
ます。
地域別にみると、アジアは2年ぶりの減少となりました。円安により、
日本製工作機械の割安感が向上したことから、台湾や韓国で健闘しまし
たが、最大需要国である中国は、設備過剰が改善されない状況下で、取
り巻く経済状況も厳しく、更に夏場以降、EMS関連特需が剥落したこ
とで、同17.7%減の2,552億円に留まりました。また、その他
アジアでは、インドを除き、年間を通じて弱い動きとなりました。
欧州は、3年ぶりの減少で、緩やかな景気回復が持続したものの、厳し
い社会経済情勢下にあって、自動車や航空機向け受注が下支えしました。
北米は、6年ぶりに減少しましたが、5年連続で2,000億円を上回
り、史上3番目の受注となりました。アメリカでは、自動車や航空機関
連が堅調に推移しましたが、原油安によりエネルギー関連が停滞し、中
国経済の低迷やドル高により輸出が低迷し、一般機械で減少しました。
またメキシコは同国への自動車向け投資が一巡したこともあり、前年を
下回りました。
金額(百万円) 前年比
アジア 443,512 85.5
うち東アジア 326,816 86.5
うちその他アジア 116,696 82.9
欧州 181,032 95.5
北米 256,195 89.6
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◆ 統計更新情報
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○2016年1月次受注短観発表(2016年1月28日15時公表)
《工作機械統計ページ》
https://www.jmtba.or.jp/machine/data
短観(2016年1月次) ※( )内は前月比
1、業況に関する判断(DI)
(a)会社全体の業況 足元 -1.4 (△14.3) 翌月 12.9
(b)工作機械事業の業況 足元 -5.7 (△15.7) 翌月 7.1
2、工作機械受注の先行き予測に関する判断(DI)
(c)受注総額の水準 足元 -15.7 (△1.4) 翌月 1.4
(d)受注内需の水準 足元 -27.1 (△18.5) 翌月 2.9
(e)受注外需の水準 足元 -5.9 (+2.9) 翌月 -7.4
3、受注内需業種別の水準(DI)
(f)一般機械向けの受注水準 翌月 -8.6 (△5.7)
(g)自動車向けの受注水準 翌月 4.5 (+10.6)
(h)電気・精密向けの受注水準 翌月 -2.9 (+5.8)
4、受注外需地域別の水準(DI)
(i)アジア向けの受注水準 翌月 -14.7 (△16.2)
(j)欧州向けの受注水準 翌月 -3.4 (△1.7)
(k)北米向けの受注水準 翌月 -3.2 (±0.0)
(ひとこと)
1月の受注短観を見ますと、業況に関する判断は、会社全体、工作機械事
業とも26カ月ぶりに「悪い」超となりました。ただ、これらは後述する受
注の一時的な低下の影響が大きいと思われ、翌月が「良い」超に転じている
ことからも、地合いの悪さを示すものではないと考えられます。
受注の先行きに関しては、足元(1月)は受注総額、内外需とも「減少」
超となり、特に内需は大幅なマイナスとなりました。もともと1月の内需水
準は、政策効果の谷間の時期であることや年始の影響などから、1年の中で
受注が低くなる傾向があり、そうしたことが主要因と考えられます。そのた
め、翌月(2月)の内需は、1月から増加するとみる回答が多くなっていま
す。
一方、外需は足元の「減少」超が7カ月連続となるなど、中国をはじめと
する不透明な経済状況から、受注決定までの期間が不安定で、総じて弱めに
見る会員が多くなっているものと推察されます。ただし、このところの受注
額自体はEMS特需を除くと大幅に減少しているわけではなく、状況を注視
する必要があると思います。
■ 編 集 後 記 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………
○現金、使ってますか?
私がこの文章を書いているこの時まで1週間、現金を使わずに生活している
事に気が付きました。
決して、節約して敢えて使わないようにしていた訳ではありません。
・朝の通勤はICカード
・昼食を買うコンビニでは、電子マネーで決済
・飲み物を自動販売機で買うのも電子マネー
・夜の飲み会はカードで決済
ICカードのチャージは自動でカードから引き落とされるため、現金を入れ
てチャージすることもありません。
数年前から、現金はあまり必要ではなくなる、という話を聞いていましたが、
こうして、自らの生活にしっかりと溶け込んでいることに関して、改めて驚き
を感じました。
10年程度の時間で世の中が大きく変わる今、「今の小学生の半分以上は、
大学卒業時に、今世の中に存在していない職業に就いている」というアメリカ
の研究もあり、自分の10年後も想像できないような生活が待っている可能性
は十分にあります。
工作機械業界でも、積層造形技術の普及等が、将来、どの様になるのか注目
されていますが、更にその先には今では想像もつかないような技術が登場して
いるかもしれません。
私も、業界の新しい流れや動向を注視して、日々の仕事に取り組んでいきた
いと思います。ただ、将来必要にならなくても、私は現金はなるべく持つよう
にしたいと思います。現金を持つと「運」を呼び込めるそうなので。
(T)
次回、Vol.181は2016年2月9日(火)に配信予定です。
毎度最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。
次号もよろしくお願いします。
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【ましんつ~るまがじん】
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