ましんつ~るまがじん~vol.296~
INDEX
・今日のコラム………… 2019年上期(1~6月)受注実績の概要
・最新情報……………… 1.「日本の工作機械産業2019」 刊行
2.「工作機械統計要覧2019」頒布開始
・編集後記……………… 安全保障貿易管理と工作機械(H)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇ 今日のコラム
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
○2019年上期(1~6月)受注実績の概要
【受注総額】 681,926百万円 (前期比 △19.9%、前年同期比 △29.3%)
2019年上期の受注総額は、前期比、前年同期比とも2半期連続で減
少しました。受注額は上期としては3年ぶり、下期も含めた半期ベース
では5半期ぶりの7,000億円割れとなりました。
月別の受注額は、月を追うごとに勢いが弱まり、前号でお伝えした通り
6月に32カ月ぶりに1千億円を下回るなど、先行き不透明感から内外
需とも力強さに欠ける状況となりました。
【内需】 266,312百万円 (前期比 △27.4%、前年同期比 △30.6%)
内需は、2半期連続の前期比減少、5半期ぶりの前年同期比減少で、上
期としては2年ぶり、半期では4半期ぶりの3,000億円割れとなり
ました。
月別では、18年を通じて550億円を超えてた内需総額が、19年に
入ると3月を除き500億円を下回る水準が続くなど、補助金の採択待
ち以上に、世界経済の先行き不透明感から、様子見感が広がり、伸び悩
みました。
業種別の状況をみると、全11業種中、前年同期比は全ての業種で減少
となり、前期比でも「商社・代理店」を除く10業種が減少となりまし
た。特に、主要4業種のうち、「自動車」や「電気機械」等の18年に
好調だった業種で減少幅が大きくなっています。
金額(百万円) 前期比 前年同期比
一般機械 108,675 △26.6 △27.1
うち金型 11,506 △20.5 △16.8
自動車 78,641 △33.9 △39.2
うち自動車部品 56,487 △29.4 △33.7
電気・精密 24,078 △28.6 △41.7
航空・造船・輸送用機械 12,412 △ 6.3 △ 8.1
【外需】 415,614百万円 (前期比 △14.3%、前年同期比 △28.4%)
外需は、前期比、前年同期比とも2半期連続減少で、上期としては2年
ぶり、半期としては2半期連続の5,000億円割れとなりました。
中国経済の減速や、米中貿易摩擦問題等が影響し、全地域的に減少傾向
となり、月を追うごとに外需総額は減少しました。
地域別にみますと、主要3極全てで、前期比、前年同期比が減少し、特
にアジアは、前年同期比で4割近い減少となり、上期としては3年ぶり
の2,000億円割れとなり、中国はほぼ半減しました。一方、欧州、
北米は共に2割弱の減少にとどまっています。
金額(百万円) 前期比 前年同期比
アジア 172,002 △11.4 △39.6
うち東アジア 120,514 △10.3 △45.8
中国 94,794 △ 7.3 △48.2
うちその他アジア 51,488 △13.9 △17.8
欧州 101,114 △15.7 △18.8
北米 133,546 △18.4 △17.6
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆ 最新情報
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
-------------------
1.「日本の工作機械産業2019」刊行
-------------------
本年も、冊子「日本の工作機械産業2019」を刊行しました。
工作機械の種類、日本の工作機械産業の規模と動向、日工会の活動などを平易
に解説した業界案内書です。また、英語版は後日頒布となります。
○価格
(日工会会員) 無料
(一般) 500円(税込)/部
○お問い合わせ
日本工作機械工業会 業務国際部 礒嵜・本多
TEL:03-3434-3961
--------------------
2.「工作機械統計要覧2019」頒布開始
--------------------
7月24日より、工作機械統計要覧2019が頒布開始となりました。
本書は毎年発行しており、2018年の受注、生産、輸出入のほか、経営指標
や海外統計等のデータも収録しています。
○価格
(日工会会員) 1,000円(税込)/部
(学生・教職員)1,000円(税込)/部
(一般) 6,000円(税込)/部
○お問い合わせ
日本工作機械工業会 調査企画部 高野・佐藤
TEL:03-3434-3961
■ 編 集 後 記 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………
○安全保障貿易管理と工作機械
今月、日本政府は安全保障貿易管理制度の一部見直しを行い、韓国向け化学
3品目の取り扱いを変更しました。また、併せて韓国向けの輸出に際する輸出
者への優遇措置を見直す政令改正案について意見募集を行いました。
事の理解が追い付かない報道機関もあり、不要な不安を煽る報道も多い点は
非常に残念ですが、それだけ安全保障貿易管理がフォーカスされた機会が少な
かったということでもあり、安全保障上のリスクが生じてこの分野が世間を賑
わせている事も本来的に望ましい状態ではないのかもしれません。
しかし、今回の出来事によって一般的に馴染みが薄かった安全保障貿易管理
という分野への認識が広まっていることは大変意義深いことだと感じています。
あらゆる輸出品目の中で、工作機械は安全保障貿易管理が求められる最たる
品目として世界的に認識されており、当会は今回の制度改正、政令改正案を冷
静に読み取っています。
今回の出来事を機に安全保障貿易管理の重要性は工作機械に限らずあらゆる
製品やその技術の海外取引において問われているということが一般的に広く浸
透することを願ってやみません。
(H)
次回、Vol.297は2019年8月13日(火)に配信予定です。
毎度最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
次号もよろしくお願いします。
/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/
【ましんつ~るまがじん】
■ご意見ご感想はこちらまで
send@jmtba.or.jp
\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\